最近の建売住宅は、正直あなどれません。
住宅に求められる基準自体が昔とは違います。
耐震等級、断熱性能、省エネ基準——
法規制や社会的な要求水準が上がり、それに応じて建売住宅の性能も底上げされました。
ひと昔前の建売とは、もはや別物です。
一方で、価格も上がっています。
資材費・人件費の高騰は住宅業界全体に影響しており、建売住宅も例外ではありません。
「建売=安い」というイメージは、すでに過去のものになりつつあります。
性能は高い、価格も高い。
では、何が削られるのか。
それが「デザイン」と「外構」です。
建物の外観はシンプルにまとめられ、外構は必要最低限。
ポストと土間コンクリートだけ、フェンスは安価なメッシュタイプ、植栽なし…というケースも珍しくありません。
ただ、これは建売に限った話ではありません。
注文住宅でも、外構は後回しにされがちです。
建物に予算を使い切り、外構は「とりあえず」で済ませてしまうケースは多い。
結局、外構に予算をかけたかどうかが、家の見た目を大きく左右します。
つまり、建売でも外構にしっかり投資すれば、注文住宅と変わらない——むしろそ
れ以上の佇まいを手に入れることもできるのです。
この記事では、建売の外構を注文住宅風に格上げするポイントを、費用感も含めて
ご紹介します。
建売と注文住宅、「差」が出るのは外構
建売と注文住宅を見比べたとき、パッと見て違いを感じるのはどこでしょうか。
実は、建物本体ではなく「外構」であることがほとんどです。
もちろん、吹き抜けや空中階段といった特徴的な設計は注文住宅ならでは。工法や
間取り、外壁の色使いでも違いは出ます。
ただ、キッチンやバス、トイレなどの住宅設備については、費用を抑えながら注文住宅を建てた場合、建売と製品ランクにほとんど差はありません。
そして住み始めてソファやカーテン、家具などを置いていけば、室内の違いはもうわからなくなります。
注文住宅なら外構も含めてトータルで計画されている…と思われがちですが、現実
はそうでもありません。
注文住宅の営業担当は、当然ながら建物の予算を確保することを優先します。
外構は別の業者に任せるケースも多く、「外構は後から考えましょう」と後回しにされがち。
結果、建物に予算を使い切って外構は最低限、というパターンは珍しくありません。
そもそも最近は建材の高騰で、若い世代には注文住宅の購入する人が減ってきてます。
不動産営業の方から聞くのが「それでも周りと同じ家には住みたくない。'建売に見えない家'を求める人が増えている」とのこと。
では、建売住宅を注文住宅のように見せるにはどうすればいいか。外構に予算をか
けることです。
建売こそ、外構に予算をかける
室内は住めば違いがわからなくなる。
でも外構は、毎日家に帰るたびに目に入る。ご近所や通りがかりの人からも見える。
家の印象を決めているのは、実は外構なのです。
建売でも外構に投資すれば、注文住宅と変わらない——むしろそれ以上の見た目を
手に入れることもできます。
建物が決まっている分、外構にじっくり集中できるのは、建売ならではのメリットとも言えます。
建売外構が「寂しく見える」3つの理由
まずは、建売の外構がなぜ物足りなく感じるのか、その原因を押さえておきましょ
う。
1. 「必要最低限」で止まっている
建売住宅の外構は、本当に最低限です。
駐車スペースの土間コンクリート、境界のブロック塀、シンプルな機能門柱とポスト。
必要なものは揃っていますが、それ以上でもそれ以下でもありません。「足りない」わけではないけれど、「物足りない」——そんな状態です。
最近ではコンクリートの価格高騰を受けて、駐車スペースをアスファルト仕上げにする大手ビルダーも出てきています。
コスト削減の意図はわかりますが、正直なところ、それなら何もせず砂利敷きにしてくれたほうがまだ良い。
砂利なら後から別の仕上げに変えやすいですが、アスファルトを剥がして作り直すのは手間もコストもかかります。
2. 機能優先、「見せる」発想がない
あるのは機能だけ。
車を停める、敷地を区切る、郵便物を受け取る——それ以上の「見せる」「演出する」という要素は入っていません。
予算が潤沢な注文住宅の外構が「どう見えるか」を計算して作られているのに対し、建売の外構は「使えればいい」で終わっています。
3. 照明ゼロ、夜は真っ暗
外構照明もまずありません。
昼間は気にならなくても、夜になると玄関まわりが暗くて寂しい。
照明があるかないかで、家の表情は大きく変わります。
夜の帰宅時、家が暗いままなのと、ほんのり明かりが灯っているのとでは、印象がまったく違います。
注文住宅風に格上げする5つのポイント
1. 門柱・ポストを変える
最も印象が変わりやすいのが門柱まわりです。
建売によくある既製品の機能門柱を、塗り壁やタイル貼りの造作門柱に変えるだけで、一気に雰囲気が変わります。
ポストや表札、インターホンのデザインを統一するのもポイント。
木目調やマットブラックなど、素材感のあるものを選ぶと高級感が出ます。
費用目安:20〜40万円(造作門柱の場合。既製品の機能門柱交換なら10万円台か
ら)
2. アプローチに変化をつける
玄関までの通路が土間コンクリートだけだと、どうしても単調に見えます。
天然石やタイルを部分的に取り入れたり、目地のデザインを工夫するだけでも印象は変わ
ります。
乱形石を敷いてナチュラルに、枕木風コンクリートでカフェ風に、など好みに合わ
せてアレンジできます。
費用目安:30万円前後〜(範囲や仕上げによる)
3. 植栽を加える
緑があるかないかで、外構の印象は驚くほど変わります。
シンボルツリーを1本植えるだけでも、玄関まわりの雰囲気が引き締まります。
アオダモやソヨゴなど、手入れが楽で四季を感じられる樹種がおすすめ。
足元にタマリュウなどのグランドカバーを添えると、より完成度が上がります。
費用目安:5〜10万円(2m前後のシンボルツリー1本の場合)
4. 照明を計画する
夜の外構を美しく見せる照明は、建売と注文住宅の差が最も出やすい部分です。
門柱を照らすスポットライト、アプローチ沿いのポールライト、植栽のアップライト
などを組み合わせると、夜の帰宅が楽しみになるような雰囲気に。
12Vのローボルトライトなら電気工事も比較的シンプルで、後付けにも向いていま
す。
費用目安:10〜30万円(設置箇所数による。1箇所あたり3〜4万円が目安)
5. フェンス・目隠しを見直す
建売でよく使われるメッシュフェンスは、機能的ですがデザイン性は低め。
木目調のフェンスや、塗り壁と組み合わせたセミクローズ外構にすると、プライバシーを
確保しながら見た目も格上げできます。
道路からの視線が気になる場所だけ目隠しを設けるなど、部分的なリフォームでも
効果は十分です。
費用目安:30万円前後〜(範囲や仕上げによる)
外構費用をローンに含めるなら、購入前に動く 外構工事にはまとまった費用がかかります。
資金計画を考えるうえで、ローンの選び方は重要なポイントです。
建売を購入する前であれば、外構工事の費用を住宅ローンに含められる銀行もあり
ます。
住宅ローンなら返済期間を長く設定でき、金利も低め。
さらに団体信用生命保険(団信)が適用されるため、万が一の病気や事故の際にも残債がカバーされます。
一方、購入後に外構工事をする場合はリフォームローンになります。
リフォームローンは返済期間が短く、金利も高め。
団信が適用されないことも多く、万が一の際に支払いが残ってしまうリスクもあります。
もちろん、住んでからじっくり考えて外構を整えるのも一つの選択です。
ただ、資金面で有利なのは購入前に動くこと。
建売を検討している段階なら、外構のことも早めに視野に入れておくと、選択肢が広がります。
どこから手をつける?優先順位の考え方
全部を一度にやる必要はありません。
予算に合わせて、段階的に進めていくのがおすすめです。
まず手をつけるなら、門柱まわりか植栽がコスパよく印象を変えられます。
この2つだけでも、建売感はかなり薄れます。
次に余裕があれば照明を。夜の見え方が変わると、外構全体がより映えて見えるよ
うになります。
アプローチやフェンスは面積が大きい分、費用もかかります。
暮らしながら「ここが気になる」と感じた部分から、優先的に計画するとよいでしょう。
まとめ
今の建売住宅は、性能面では注文住宅に引けを取りません。
違いが出るのは、デザインと外構です。
ただ、外構が後回しにされがちなのは注文住宅も同じ。結局、外構に予算をかけた
かどうかが、家の見た目を左右します。
建売だから注文住宅風にはならない——そんなことはありません。
外構を整えれば、建売住宅でも十分「注文住宅以上」の佇まいを実現できます。
まずは門柱や植栽など、取り組みやすいところから。少しずつ手を加えていくこと
で、家は確実に変わっていきます。

