ドッグランを作ろうと思っている飼い主さんにとって、どの地面を選ぶかはワンちゃんの安全と快適さに繋がります。
人工芝、天然芝、ウッドチップにはそれぞれ違った特徴があるので、環境や用途に合わせて選ぶ必要があります。
この記事では、3つの地面材質の良いところ・悪いところを詳しく比べて、あなたのワンちゃんにぴったりの方法を見つけましょう。
ドッグランの地面選びで大切な5つのポイント
ドッグランの地面を選ぶときは、5つのポイントを抑えましょう。
①安全性🐾
まず一番大切なのが安全性です。
ワンちゃんがケガをしないよう、滑りにくくて適度にクッション性がある材質を選ぶことが大切です。
硬すぎる地面は関節に負担をかけますし、逆に柔らかすぎると走りにくくなったり転んでしまう可能性があります。
②衛生面🐾
次に考えたいのが衛生面です。
特に湿気の多い夏でもきれいに保てて、掃除がしやすく、排泄物の臭いもしっかり対策できることが重要です。
水はけの良さや除菌のしやすさも、ワンちゃんの健康を守るためにも必要なポイントですね。
③耐久性🐾
また長持ちするかどうかも重要です。
季節の変化や雨風に耐えられる強さがあるかは、長く使うことを考えると見逃せません。
施工が安くても頻繁に交換や大きな修理が必要だと、結果的にメンテナンスお金がかかってしまいます。
④コスト🐾
費用の面では、最初にかかる費用だけでなく、その後のメンテナンス費用も含めて計算する必要があります。
安い材質を選んでも、維持費が高いと長い目で見ると高くついてしまうかもしれません。
⑤快適性🐾
最後に、もっとも大事で忘れてはいけないのがワンちゃんの快適さ。夏の暑さでも快適に過ごせて、足に負担をかけないなど、ワンちゃん目線での使いやすさが大切です。
人工芝のメリット・デメリット

人工芝はドッグランではよく使われる地面材質です。
一番の魅力は、一年中きれいな緑色を保ち続けられることでしょう。
どんなお庭にも自然に馴染んで、季節に関係なく見た目の美しさを保てるので、住宅街のドッグランでも近所の人に良い印象を与えられます。
お手入れが楽なのも人工芝の大きな良いところですね。
天然芝のように定期的に芝刈りをしたり、水やりや肥料をやったりする必要がなく、基本的には汚れを洗い流すだけできれいに清潔に保てます。
梅雨の時期でもプロが施工すれば水はけが良いので、カビや苔が生えるのを防げて、忙しい飼い主さんでも管理しやすいです。
水の流れも良いのが嬉しいポイントです。
きちんと施工され、設置された人工芝は、雨の多い時期でもすぐに水を流してくれるので、ワンちゃんが泥だらけになることを防げます。
また、良い人工芝なら10年以上の長い間使えるので、一度設置すれば長期間安心して利用できます。
ただし、人工芝には困った点もいくつかあります。一番の問題は最初にかかるお金の多さで、1平方メートルあたり3,000円から7,000円くらいの費用がかかって、他の材質と比べて初期費用が高くなってしまいます。
夏の暑さも大きな問題です。太陽の光を受けた人工芝の表面は60度を超えることもあり、ワンちゃんの肉球が火傷する危険があります。
そのため通気性の良い種類の人工芝を選ぶのと水をまく設備を作ったり、日陰を作ったりと、追加の暑さ対策が必要になります。
また、乾燥する冬には静電気が起きやすくて、特に毛の長い犬種では嫌がる可能性があります。
さらに、衛生面を気にすると蒸し暑い時期にはバイ菌が増えるのを防ぐため、月1回くらいの除菌作業が必要で、完全にお手入れ不要というわけではありません。
人工芝は住宅街で小型から中型犬を飼っている方や、仕事が忙しくてお手入れに時間をかけられない飼い主さんに特に向いています。
天然芝のメリット・デメリット
天然芝は自然な環境をワンちゃんに与えたい飼い主さんにとても人気があります。
一番の魅力は、犬の足に優しい自然な感触です。
天然芝の持つ自然な弾力はワンちゃんの関節への負担を大きく減らして、激しい運動をした後の疲れ回復にも効果的です。
特にシニア犬や関節に心配のあるワンちゃんにとって、天然芝の優しい踏み心地は大きなメリットです。
暑さ対策の面でも天然芝は優秀です。
夏でも表面温度の上がり方が抑えられて、人工芝と比べて10度から15度くらい低い温度を保てます。これで暑い季節でもワンちゃんが安全にドッグランを使える環境を作れます。
青草の自然な香りはワンちゃんをリラックスさせて、ストレス軽減にも大きく役立ちます。
人工的な材質では得られない自然環境での遊びをワンちゃんに与えられて、本能的な行動を引き出せるのも天然芝ならではの特徴です。
ただし、天然芝にはお手入れが大変という大きな困った点があります。
特に成長する4月から10月にかけては2週間に1回くらいの芝刈りが必要で、定期的な水やりや肥料やりも欠かせません。
これらの作業にはかなりの時間と労力が必要で、園芸作業に慣れていない方には負担が大きくなる可能性があります。
季節による見た目の変化も考えておきたい点です。冬は芝が休んで茶色く変色するので、年中きれいな緑を保ちたい方には向かないかもしれません。
また、梅雨や雨上がりには泥はねが起きやすくて、ワンちゃんの体や飼い主の服が汚れやすくなります。
さらに、暖かい時期にはダニやノミなどの害虫が発生しやすい環境になるので、定期的な虫対策も必要になります。
天然芝は郊外で広いスペースを確保できて、園芸作業を楽しめる方や、自然環境を大切にしたい飼い主さんに最も向いた選択肢といえます。
ウッドチップのメリット・デメリット

ウッドチップは3つの選択肢の中で最もお金のかからない地面材質として注目されています。
1平方メートルあたり2,000円から4,000円くらいと初期費用が安くて、予算を抑えてドッグランを作りたい方には魅力的な選択肢です。
ウッドチップの大きな特徴は、木材特有の優れたクッション性にあります。
自然な弾力で衝撃をうまく吸収するので、シニア犬や関節の弱いワンちゃんにとってとても優しい材質です。
特に大型犬が走り回るときの着地の衝撃を和らげて、ケガのリスクを減らせます。
自然素材であることも大きなメリットと言えますね。
間伐材などを活用することで森林保護にも役立って、環境に負担をかけない選択ができます。
また、雨の多い時期でも水が溜まりにくくて、適度な湿度を保ちながら良い水はけを実現できます。
しかし、ウッドチップには定期的に補充が必要という困った点があります。
ワンちゃんの活動で少しずつ飛び散ったり、自然に分解されて量が減るので、年に2回から3回くらいの補充作業が必要になります。
1回あたり5,000円から10,000円くらいの費用がかかるので、長い目で見ると維持費がかさむ可能性があります。
活発な大型犬が走り回ると周りにウッドチップが飛び散りやすくて、定期的な掃除作業が増える場合があります。
また、暖かくて湿気の多い気候では木材を好む虫やバイ菌が増えやすい環境になるので、衛生管理に気をつける必要があります。
さらに、好奇心旺盛な子犬や何でも口に入れる癖のある犬では誤って食べてしまうリスクがあるので、ワンちゃんの性格を考えた選択が大切になります。
ウッドチップは予算を抑えて自然環境を作りたい方や、大型犬中心で広いスペースを活用したい郊外の飼い主さんに向いています。
シーン別おすすめの選び方
都市部の住宅街 小型犬中心の場合
都市部の住宅街で小型犬を中心に飼っている場合、人工芝が一番おすすめです。
限られたスペースでお手入れを最小限に抑えながら年中快適に使えて、近所への配慮も十分にできます。
ただし、夏の暑さ対策として水をまく設備を一緒に作ることをおすすめします。
郊外の一戸建て大型犬中心の場合
郊外の一戸建てで中型犬から大型犬を飼っている場合は、天然芝が理想的な選択肢です。
広いスペースを活かして自然環境を作れて、ワンちゃんの健康にも良い影響を与えます。
お手入れの手間を楽しみながら、ワンちゃんとの時間をより充実させることができるでしょう。
予算を出来るだけ抑えたい場合
予算を重視して個人ドッグランを作りたい場合は、ウッドチップが最適です。
初期費用を大きく抑えながら自然な環境を作ることができて、ホームセンターでも手に入りやすく補充も比較的簡単に行えます。
よくある質問(FAQ)
Q: ドッグランの地面選びで一番気をつけることは何ですか?
A: 夏の暑さ対策と梅雨時期の湿気対策が一番大切です。どの材質を選んでも、きちんとした水はけと風通しを確保した設計がワンちゃんの安全と快適さに直結します。
Q: 違う材質を混ぜて使うことはできますか?
A: できます。例えば中央部分を天然芝にして周りをウッドチップにするなど、それぞれの材質の良いところを活かした組み合わせが効果的です。
Q: 季節によって地面材質を変えることはできますか?
A: ウッドチップなら季節ごとの入れ替えも比較的簡単にできます。夏は厚めに敷いて断熱効果を高めて、冬は薄めに調整するという方法もあります。
Q: 小型犬と大型犬で向いている地面は違いますか?
A: 小型犬には人工芝や天然芝のような平らで安定した面が向いていて、大型犬にはクッション性の高いウッドチップや天然芝が関節への負担軽減に効果的です。
Q: アレルギーを持つ犬への配慮はどうすればよいですか?
A: 草花アレルギーがある場合は人工芝を、化学物質に敏感な体質の場合は天然素材のウッドチップや天然芝を選ぶことをおすすめします。
まとめ
ドッグランの地面選びは、ワンちゃんのサイズや年齢、健康状態といった個体差と、飼い主さんのライフスタイルや予算、お手入れに使える時間を全体的に判断して決めることが大切です。
どの材質を選んでも、きちんとした設計と定期的なお手入れを行うことで、ワンちゃんが安全で快適に過ごせる環境を作ることができます。
大きな費用をかえて失敗したくないという方はまずは小さな区画で試しに導入して、ワンちゃんの反応や使い勝手を確認しながら、最適な選択肢を見つけていくのも良いかもしれませんね。
ドッグランがあればワンちゃんとの絆を深める素晴らしい機会になりますよ。
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